オー・ブラザー

評価:★★★★☆

コーエン兄弟期待の新作。

前回の『ビッグ・リボウスキ』が個人的に大ヒットだった為に否が応でも期待しすぎてしまう。

確かに物語りの要所要所に登場するバカで憎めない人物たちはコーエン節炸裂。

しかしロードムービーの欠点か、ストーリーがやや平坦で本筋である「ずぶ濡れボーイズ」のインパクトが弱い。

比べる対象ではないが脱獄犯がバンド(音楽)をやり、知らぬ間に大スターにのし上ると言うテーマは近年では『バンディッツ』という映画の方がそういう点では勝っている。

最後のステージのシーンもどこで練習したのか、いつの間にそれほどまでに評判になったのか、あまりの会場の盛り上がり方が不自然に思えた。

コーエン映画の面白さであるスパイスも今回の映画においては”効き過ぎている”ように感じたのは私だけでしょうか?

と、ここまでが観終わった直後の感想。

しかし日が経つにつれて映像の色とか、カントリーミュージックが色濃くなってくるんです。

そうすると見終わった直後の物足りなさは消えて「良い映画を観たな」って気になってくるんですね。

突拍子もなく現れて、強いインパクトを残していったはずのキャラクターたちの方が後になると薄れてくる。

結果、この映画の後に残るのは古き良き時代(そんな時代知らないけど)のアメリカ像なんですね。

コーエン兄弟にしてやられた?と言うことで後味★★★★!


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