JSA

評価:★★★★★

韓国を一躍”映画大国”にのし上げた『シュリ』をも超える大ヒット。

てっきりアクションかと思ってたら、素晴らしい友情ドラマじゃないですか!

韓国映画といえば”北緯38度線”の問題はつきもので 日本人には正直ピンとこないところがあると思うんですよね。

国の問題を描いた作品がその国でヒットするのは”お国柄”でかたずけられるような気もしますが、この『JSA』は違う。

世界に通用するヒューマンドラマだ。

南北で対立しているはずの兵士が、とある事から友人になってしまう。

法律上でも決して許される事のない友情。

そんな彼らがじゃれ合う姿はどこかユーモラスで切ない。

この映画の素晴らしいところは、韓国にとっても深刻な問題であろう、このテーマをうんちくや政治的背景を多く語らず4人の若者のみを通して描き切ってしまうところ。

何気なく交わされる彼らの言葉の中に山積みとなった問題が ごく自然に散りばめられている。

どんな学校教育よりも分かりやすい、言わば『2時間で分かる朝鮮半島問題』だ。

やはり良い映画を作るには、クリエーターを刺激するものが無いとダメだね。

日本みたいに何の危機感も無くダラダラ過ごしてるだけじゃ、良い文化作品も生まれないよ。

韓国映画や北緯38度線って言うキーワードで見るのを倦厭 してるそこの君!

これは映画好きとして観ておくべき作品だ。

時間軸の交錯やラストシーンの画の使い方は絶妙。

4人の兵士があまりにも素晴らしい為に中立軍の女性(韓国の美人女優)がオマケ的存在になってしまっているのが惜しい。


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