メメント
評価:★★★★★
久しぶりに「うーん」と唸ってしまう映画を見た。
秀逸。
どちらかと言えば現代人向けの映画か。
記憶を失った主人公と共にストーリーが進行するこの映画は、映像自体すらも記憶の断片でしかない。
つまり「ぶつ切り」なのだ。
観客は主人公と同じ記憶障害を持った状態でストーリーは進行する。
映画のラストシーンから始まるこの映画は見始めた直後は正直「???」の連続である。
説明のされていない登場人物。
理屈に合わない出来事。
しかし映画を見ていくうちにその謎が次々と明かされていくといった仕掛けだ。
冒頭に主人公と同じ体験を出来る映画だと言ったけど、実際にはその真逆で記憶力をフルに使わないと理解するのは難しい映画だ。
「結果→原因」という流れで進行するストーリーに復習している暇はない。
結果を覚えていないと、その後のシーンは全て意味不明になってしまうからだ。
そして、映画を最後まで見終わったとき全てが一つに繋がるように出来ている。
しかしながら人間の記憶はそれほど優れていないわけで映像と字幕から与えられる2時間分の情報を完璧に覚えることは出来ない。
結果ストーリーにたくさんの謎を残しながら映画が終わる。
明らかに監督の作戦だ。
リピートしないと全てが分からないというわけだ。
”1回では理解できない”のではなく”もう1回見たくなる”作品。
見終わった後の同伴者との会話も非常に盛り上がる。
久々に映画の素晴らしさを実感した。
しかしこの映画、普通に並べたら駄作になるのだろうか・・・?
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